健康維持 病気予防

不登校の中学生を「肌感覚とアロマ効果」で復活させたお母さんのお話

不登校の子どもがいるお母さん

子どもの勉強が気になるお母さん

不登校のままだと将来不幸になると思っているお母さん

自分は不登校だけど、どうしらいいか分からない中高生

  1. 不登校の時の状態はこんな感じでした
  2. お母さんが最初にやったこと
  3. 変化のきっかけは、どんな感じだったのか
  4. これらの経過を心理学的・脳科学的に読み解くとこうなる
  5. まとめ

目次

1. 不登校の時の状態はこんな感じでした

当時、中学2年生の彼は、運動系の部活動に入ったものの、何かの違和感が始まり、次第に強くなって行きました。部活に行くことが、だんだんおっくうになっていったと言います。お母さんは、それではいけないと、部活参加を促し続けていました。そのうちに、今度は、「朝起きることがきつくなった」と訴え始め、起きれなくなります。お母さんは、朝、何回も彼の部屋に行きドアを叩き、「時間よ!起きて!」と何度も声掛けする毎日でした。彼は2階に寝ていたので階段を何度も上り下りです。彼はいったん、眠そうに起き上がるのですが、その後もごろごろしているのです。時間はどんどん過ぎて行きます。登校の時間が、近づくと今度はトイレに入ります。そして、長く出て来ません。お母さんはトイレのドア越しに何度も声を掛けるのです。「どうしたの?遅れるよ。お腹痛いの?」「うん、下痢が出た💦」「じゃあ、病院行こっか」「え~」のやり取りの繰り返しでした。

こんな経緯で私のクリニックへ来たのでした。問診、診察してみると、医学的異常はほとんど見られませんでした。それまで成長していた、ふつうの中学生に大変な病気があるはずもありませんよね。私には、この時に読み取れました。「彼が不登校なのは、からだが悪いからではなく、彼の気が学校に向いていないからだ!」と。だから、彼に聞きました。「学校にいて、そこにいる感じがする? もしかしたら、居場所がないんじゃない?」そしたら、彼は深くうなずきました。そうなんです。教室にいても、居心地(いごこち)が悪くて逃げ出したくなるのです。念のために、消化剤・整腸剤は飲んでもらいました。

その後の経過ですが、やはり不登校のままでした。お母さんは、心配でちょくちょく相談に来られました。よくお聞きすると、やはり「このままでは、将来が心配です」が中心の話でした。ですから、お母さんに私のコーチング(対人支援技術)を受けて頂きました。コーチングで何が見つかったかと言うと、「お母さんが息子さんを登校させたいと切に思っていること。そして、息子さんを変えたいと強く思っていること」でした。ですが、アドラー心理学コーチングでは「例え子供でも、彼の問題は彼のこと!」が大原則です。時間が掛かりましたが、そこをしっかり理解して頂きました。

2. お母さんが最初にやったこと

過干渉(母親だから当たり前)であったことを、時間をかけて受け入れていかれました。次に私の提案から、まず「自分自身のことをやろう!」と決められました。それは、独身の頃にやれなかったアロマの勉強をすることでした。時間もお金もかかりました。お母さんは、とても厳しいご両親に育てられ、女性としての躾け(しつけ)は、細かなところまでだったそうです。母親になってからも干渉は続いたと言います。そんななか、自分のことはさておいて、一生懸命子育てをして来たのでした。一方彼は、この間も相変わらず、不登校のままでした。中学はほとんど在宅のままでしたが、独学で何とか高校を受験し通信高校に入学。そして、また、不登校でした。

3. 変化のきっかけは、どんな感じだったのか

その間、お母さんは、アロママッサージを勉強していたので、ある日、彼に「マッサージをしてあげようか?」と話を持ちかけました。答えはもちろんNO! 「くすぐったいし嫌だ!」それでも、お母さんは食い下がりました。「私の勉強のためにモデルになって!」と、簡単なハンドマッサージを提案。しぶしぶ、彼も受け入れたのでした。ハンドマッサージが何とか出来たので、次はフットマッサージも挑戦しやってあげることが出来ました。

それから1か月、彼に変化が起こり始めます。少しずつ、自分のことを話し始めたそうです。小さい時はこう思っていたとか、学校で嫌なことは、こんなことだったとか。お母さんは、私がお教えしたとおりに、「うん、うん」とだけ聞いていました。次の変化は、彼がいつの間にか、笑顔を見せるようになりました。お母さんは、「あ~以前の彼が戻って来た」と思ったそうです。そして、日々が過ぎ、彼は大検を受け大学の心理学部へ進学したのでした。

4. これらの経過を、心理学的・脳科学的に読み解くとこうなります

一番重要だったのは、心配なお母さんの気持ちを、自分でコントロールしたということです。親が心配なのは当たり前。「普通に学校へ行けない子どもは、悲惨な人生を歩くであろうとの心配」を、この子もいつかは必ず、自分の足で歩き出すであろうと「根拠のない自信」に変えました(コーチング効果)。そして、彼に注目するエネルギーを他へ逸(そ)らしました。この間に、彼のマイナス深く落ち込んだエネルギーが、ゼロポイントまで復活したのです。そこまで来ると、つぎは先を見ようかな?となっていったのでした。「このままでは、ダメなんだ」と一番わかっていたのは本人であり、一番苦しんでいたのも、本人なのです(お母さん以上に)。それをゆっくり待ったお母さんはとてもすごいと思いました。

また、アロママッサージが、脳科学的にもとても有効でした。オイルで指をマッサージされると、その皮膚感覚(ぬるぬる気持ちいい)はダイレクトに脳へ伝わり、リラックス効果でゆったりとした脳になります。さらに、アロマです。お母さんは心身が落ち着く系のアロマをさりげなくリビングルームで焚き、マッサージオイルにもしのばせたのです。アロマは嗅覚(きゅうかく)を刺激し、これはさらにダイレクトに深い脳へ到達し刺激します。一段一段ずつ階段を登ったのでした。

5. まとめ

不登校の子どもへの対応の一例を、ご紹介しました。私のところへは、ふらつきや腹部症状、頭痛などで診察に連れて来られる不登校生が後を絶ちません。大学生で不登校生が2人います。また、最近は低年齢化しています。小学生でもふつうにあります。むかしの様ないじめは、今ほとんどありません。本人の「アンテナ感度が敏感」なことがほとんどです。しかし、対応方法はあります。

今回は以上です。

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