健康維持 病気予防

便潜血検査について、初めての方でもわかりやすく説明します!

・検診で便潜血検査が陽性だったひと

・検診で検便を出せなかったひと

・便潜血検査は陰性だったが、大腸のことが気になるひと

目次

そもそも潜血とは何でしょうか?

潜血とは、潜(ひそ)む血のことです。

便潜血検査が「陽性」ということは、分かりやすく言うと、「大腸からお尻までのどこかで(重複あり)出血があったよ!」と言うことです。

この検査は、便を採って提出するだけです。

ですが、日頃大切なことは、トイレで目視(実際にトイレを見ているか)をしているか?ということです。

まず、お聞きしたいのは、あなたのトイレの後に、便、便器、拭いたトイレットペーパーなどに血液が付着していることがありますか?

これに気づいているということは、「肉眼的血便あり!」と言うことです。

多くの方の場合は、気づいていらっしゃらないと思われるので「肉眼的血便なし!」となります。

「肉眼的血便なし」の場合は、あまり慌てなくてもいいのですが、「便潜血検査が陽性の場合は、大腸内視鏡カメラ検査を受ける必要」があります。

実は、便潜血検査の感度はとても高いものです!

さて、話はちょっとズレます。この便潜血検査の感度はとても高いものです。

例えて説明します。

お風呂の残り湯に血液をスポイトで、2・3滴垂らしたと想像してみてください。

想像できましたか?オッケー!次にその残り湯を掻きまわします。

するとどうなります?先ほどの血液は、まったく判りませんよね?無色透明です。

次に、この残り湯をすくって検査をすると、強く陽性反応が出ます(+++)!

これほどに敏感な検査なのです。

ですから、上に書いた「肉眼的には血液が見えていない」場合も、“どこからか”出血した可能性があると言うことです。

潜血の血液はどこから出たのでしょうか?

勘の良いあなたはすぐ、このことを考えてしまいますよね。血液の「出場所」について、患者さんからよくお聞きする話があります。

「おれは、昔から痔があるから、そこからの出血だろう!」「私、生理が終わったばかりだったので、経血が付いたのかしら?」

「便秘で硬いうんちを頑張ったから、切れたのでは?」などです。答えを言います。

「はい、どの可能性も正解です!」 ですが、「それ以外(例えば大腸の奥)に、病変があるかも知れません!」ということです。

今回、便潜血検査が陽性となってしまったら、大腸の奥まで内視鏡カメラでチェックした方が、医学的には絶対的に良いのです。

「いや、私はイボ痔で、いつも出血しているから、それだ!」と内視鏡検査を無視する人がいます。その時、いったんはスルーできます。

ですが、市町村(行政)が行っている「大腸癌検診のための便潜血検査」なら、

内視鏡検査を受けない人は、リストが残るので、いつまでも市町村から電話などで追いかけられます!

これも、拒否できるのですが、あとで病気が判明しても自己責任となってしまいます。

また、「あの時は、お尻が切れた。だから、便潜血検査を『再検』したい!」と申し出てこられる方もいます。

これは、検診としては意味がありません。

証拠に、便潜血検査の2回目『再検』が陰性であったが、実は奥に大腸癌があったなどの実例があるからです。

要するに、出血は出血として、精密検査へと行くようになっているということです。

大腸内視鏡検査を受けたことがない方へ

はじめてのあなた、ご心配ですよね。一番心配で嫌なのは、お尻を医療者に見られたくないと思う人が大半です。

ですが、私らは、お尻をまじまじと、見ることはありません。潤滑ゼリーをお尻に塗るときくらいです。

あとは、内視鏡モニター画面(つまり大腸の中の様子)に集中しています。

大腸内視鏡検査の際には、静脈麻酔と言って、腕の血管からある注射をします。すると、次第に眠くなり検査中のことは分かりません。

私は、無麻酔でも、奥まで大腸内視鏡カメラを、痛み無く挿入する技術を持っています。

そんな私も、基本的には静脈麻酔で検査をして差し上げています。

大腸の中のポリープはこんな感じです!

これは、当院の患者さんの実際のポリープの写真です。

ポリープとは、写真のように大腸の平坦なところから、ポコリと盛り上がった病変と思って下さい。

ポリープには、そのままでも心配のないものと、将来は、がんが生まれる可能性のあるものとあります。

そこで、将来危ないポリープは内視鏡検査のときに、切除してあげています(これは、施設で違います。後日切除のところもあります。お聞きになって下さい) 

つまり日帰りで切除手術を行っています。

私のところでは、便潜血検査陽性者は、大腸内視鏡で精密検査をし、病変が見つかれば、治療まで済ませてしまっています。

この写真の方はまったく無症状で、便潜血検査陽性でした。出血場所は、肛門でしたが、無症状のポリープが見つかってとても喜んで頂いた例です。

金属はクリップと言って切除後の出血防止のため、青は色素液使用

まとめ

便潜血検査が陽性だった方は、大腸内視鏡検査を受けて下さい。

肉眼的血便がない方は、基本的に大腸癌の末期などと言うことはありませんので、怖がらずに受けて下さい。

また、出血が日頃ある方は、下の記事を参考にしておいて下さい。

お知り合いにも、上の「お風呂の血液の話」を『面白ネタ』として話してあげて下さい。

今回は以上です。からだプロでした。

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