健康維持 病気予防

大腸ポリープが見つかりました。「癌確率」はどんな感じでしょうか?について、お答えします!

・大腸ポリープをいくつか持っているひと

・過去の内視鏡検査で大腸ポリープを切除したひと

・家族に大腸ポリープが多く、これから検査だが怖いひと

・父母や祖父母に大腸がんがいたひと

・よく血便が見られるひと

この記事はこんな方に役に立ちます!

目次

大腸ポリープとは?

下の写真のように、大きなイボが平坦な粘膜から盛り上がった粘膜の病変を大腸ポリープと言います。

これが、胃にあれば胃ポリープと言います。ポリープにその場所をつけて呼びます。

例えば、子宮の内側にもポリープができたりします。子宮ポリープと言います。

右下の写真はポリープ切除後の縫合クリップ

これはあくまで、大腸の粘膜から盛り上がった病変です。先ほどから使っている「病変」と「病気」の違いを少し、解説しましょう。

病変は、「正常な状態ではない」ことと考えて下さい。病気は、それがあることで、体調が悪かったり痛かったりすることを言います。

ですから、病変<病気です。もっと分かりやすく言うと。病変があっても、症状がなければ、病気ではないと言うことです!

あえて言うなら「未病」です。

大腸ポリープは、その大きさを知ることが重要です!

このポリープってどのくらいの大きさでしょうか?

上の写真を見ると、とてもでかい!とびっくりした方もおられたと思います。

こんなものが、お腹にあると想像しただけで気持ちが悪いという方も多いです。

ですが、上の写真で直径6mm程度でした。うんちの通過に邪魔にはなりません(笑) 

たまにあるのですが、「私、便秘です。ポリープが邪魔しているのではないかと思うのです」とおっしゃる方。

答えは、タダの便秘です。便の通過を邪魔するくらいの病変があるとしたら、腸捻転(ねんてん)か、「がん」です。

腸捻転はめちゃ痛いし、がんの場合は、出血がちょこちょこ見られているはずです!

胃や大腸の内視鏡観察では、病変に内視鏡が近づくと画像が拡大されます。

私たちプロは、ポリープの表面の状態を詳しく見ます。これで「がん」の見分けができるくらいです。

もちろん、熟練の目が必要です。皆さんが検査後に見せてもらう写真は、拡大されて写っていると思っていてちょうどいいです。

ですから、お近くのクリニックで検査されてポリープが見つかった場合、「先生、大きさは何mmくらいでしょうか?」と必ず、聞いて下さい。

ここで、はい何mm!と断定的にお答えされるドクターは信頼度が高いです。

大腸ポリープの大きさを、およそ3段階に分けて考えます!

この3段階とは、①5mm以下、②6mm~9mm、③10mm以上となります。

大腸ポリープの小さなものは、ほとんどが、悪性化しない性質のポリープです。

これは、放置してもよいもので、定期チェックで大丈夫です。

ところが、小さくても「腺腫(せんしゅ)」と呼ばれるポリープは(写真のようなもの)、年々増大したり、小さなうちから一部にがんを含んだりすることがあります。

ですから、危なそうなポリープは切除となるのです。

腺腫ポリープの「担癌率」について!

この腺腫のポリープがあった場合の、「担癌率」が統計(研究の結果)で出ています。

担癌率ってなんでしょうか? これは、腺腫ポリープに癌が入っているかどうか?の話です。

腺腫の段階では、ポリープは癌ではありません。「担」とは、担任の担ですね。

つまり、担(にな)うと言う意味です。学校の先生は、自分のクラスの生徒を担任すると言いますよね。

一つのポリープが「癌」を担っている確率と思って下さい。

研究によって数値は様々です。平均的な所を紹介します。

5mm以下   の腺腫ポリープの場合0.4% 

6mm~9mm  の腺腫ポリープの場合3.0%

10mm以上    の腺腫ポリープの場合28%

これでおわかりですね? ポリープが大きくなればなるほど、癌が入っている(一部癌に変化している)確率が高くなるということです。

中間値の6mm~9mmくらいで発見されるのが、一番多いと思います。

このくらいの大きさでは、もちろん無症状ですし、たまたま見つかったということがほとんどです。

3%とは、100人のポリープがあったら、そのうちの3人がポリープの一部に癌ができていたということになるのです。

担癌ポリープの実例紹介!

これは、大腸ポリープの写真です。実は超早期の大腸粘膜癌でした。さて、みなさんにクイズです。

どこが癌になっていたのでしょうか? 気持ち悪いと思われた方は、読み飛ばして下さいね。ごめんなさいです。

よく見ると毛糸の玉みたいな構造が見えませんか?

しかも右下、そう、時計で言うと4時の方向は、この毛糸のループが伸びているように見えますね。ここが怪しい?

いやちょっと赤く見えるところが怪しい?はい、みなさんさすがです!

でも、この方のポリープは、時計で言うと9時方向を見て下さい!そこに真っ白い「かさぶた」のような薄い部分がありますよね?

ここが早期粘膜癌でした!

でも、非常に浅い癌だったので、私の日帰り切除で治療完了となり、とても喜んで頂いた方でした。

ポリープで6mm以上のものは、切除してもらって下さい!

主治医の先生のご判断ですが、先にも書いたようにポリープで腺腫と呼ばれるものは、大きくなればなるほど、担癌率つまり、癌になっている「癌確率」が上がります。

主治医さんとよくご相談下さいね。

今回は以上です。

からだプロでした。

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