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この記事はこんな方に役に立ちます。
目次
五月病は知っているよ、の人にも改めて!
五月病(さつきびょう)は、五月の病と書きますが、医学的な病名ではありません。
5月には大型連休がありますね。その連休明けごろから、からだのだるさ、疲れやすさ、意欲がわかない、物事に集中できないなどの症状が出ることを言います。
なかには、よく眠れない、食欲がないなどの身体症状が強く出て、寝た切り状態になってしまうひともいるくらいです。
これらの症状をきっかけとして、次第に体調が悪くなり、「欠席」や「欠勤」が続いてしまう事態になってしまいます。
五月病の人の家族がつい言ってしまう失言!
①しっかりしなさい!
五月病の人は、何とも言えないひどい倦怠感に襲われます。外見はどうもないように見えても、からだがとてもきつかったりするのです。
すると、自然と覇気(はき)が無くなり、元気を失っていきます。場合によっては顔色も悪くなり、食欲もなくなります。
すると家族は、その様子に、違和感を感じます。そして、「どうしたの?」と尋ねるわけです。
すると答えは、「ううん、どうもないよ!」です。本人からの答えが、「どうもない」なら、家族は一応安心します。
しかし、それが、毎日連続で1週間も続くと心配になるのです。1週間、大学や会社を休んでいる訳ですか。
「どうもないじゃないでしょ。からだでも悪いんじゃない?」って尋ねてしまいます。これは、最初の誘導尋問です。
本人は、からだが悪くはないことを直感で判っているのです。ですが、食欲がないなどの状況を家族が取り上げたりすると、次は、受診勧告(病院に行ってみなさい)となるのです。
こんな応答を繰り返していると、次第に本人も「からだが悪いのじゃないかな?」と感じ始めます。
ここからが、悪循環サイクルが回り始めるのです。人間は、本人の思考のとおりに体調が変化します。
例えば、朝、寝不足で学校へ行き、友人から「あれ?顔色悪いよ。からだの具合が悪いんじゃない?」と聞かれたとしましょう。
すぐさま、「ううん、昨日スマホやり過ぎて寝不足なんだよ」と答えます。しばらくして、また、他の友人が同じく「あれ?大丈夫、顔色悪い、具合悪いんじゃない?」と聞いてきます。
すると、同じ返事を返しながらも、人間は「もしかしたら、本当に体が病気なのかもしれない?」と考え出してしまうのです。
これを、自宅で家族のみんなが、仕掛けてしまうことになるのです。家族としては、もちろん、悪気(わるぎ)はありません。
心配してのことです。ですが、本人は次第に、そのとおりに落ち込んで行ってしまうのです。
こんな繰り返しで、五月病は、どんどん症状が深みに嵌って行ってしまいます。
とうとう、家族に促されて病院受診となりました。さて、予想通り、内科的診察や血液検査などでは異常は出ないのです。
ドクターから「からだは大丈夫ですね。おそらく五月病かと思いますよ!」の診断に家族一同安心して帰宅するのです。
本人も、病気が重くなくて良かったと思うのですが、翌朝、また、強い倦怠感が襲ってきます。そして、引きこもるようになるのです。
こんな本人を見ていて、家族はイライラが始まります。
せっかく希望の大学に入学したのに、立派な会社に入社したのに、こんな風では、先々がダメになってしまう!
そして、口をついて出てくる言葉が「しっかりしなさい!」なのです
②勉強が遅れるよ! あなたは大黒柱なのよ!
これは、もちろん本人は判っています。いや、本人が一番考えていることでしょう。
大学の授業などは、難しく1日1日がどんどん内容が進んで行きます。
10日も欠席すると、とても友人のノートを借りるくらいでは、間に合いません。確かに大変なこととなります。
また、転職などで新しい会社に入社した場合などは、家族は続くかしら?と不安がいっぱいです。
会社の皆さんに迷惑が掛かるのではないか、信頼を失うのではないか?と心配は尽きません。
家族は、自分が本人の立場だったらを想像して、こんな言葉を口にしてしまうのです。
家族が言い放つこの言葉は、的中しているのです。自分でもよく解っていることなので、ズンと心に言葉の矢が刺さります。
射貫かれるのです!そして、益々エネルギーを失って行くのです。
③あなたが選んだ大学、あなたが選んだ会社でしょ?
はい、確かに自分で選びました。でも、周りにも相談して決めたのだから、自分だけの責任じゃないしと思ってしまいます。
こんな時に、本人の口からは、周囲の環境の話がいろいろ出て来たりします。
環境の話とは、クラスメートがどうだとか(例えば、周りは優秀な学生ばかりとか、お金持ちの家柄とか)、上司がどうの、同僚が変だとかを言うことです。
これを聞かされると家族は、いらいらが次第に出て来ます。
「そりゃ、いろんな学生や社員がいるよな!」と思い、それを言い訳にしている本人を非難したくなるのです。
そこで出てくる言葉です。「選択やチョイス」は、本人の意志を強くするように作用するのが普通です。
ところが、この五月病においては、本人のエネルギー充電値が低下しているので、過去に自分が行った選択が、自分の首を絞めたりします。
ですから、この言葉も、的を得ているのでとてもきついのです。
④ネットにこれをしたらいいと書いてあったよ、やりな!
こんな記事を書いていながら、こんなことを言うのは、どうかとも思うのですが、ネット記事は、沢山のことを同時に書き込むので、焦点がぼやけていたり、逆に読者にすべてのことが当てはまる感覚に陥らせたりする危険が大です。
よくあるのは、「ネットで調べていたら、がんの症状に当てはまったので来ました!」と言われる患者さんです。
「インターネット深読み症候群」ですね。
ですから、このブログでは、できるだけ焦点を絞り込んで、あなたが理解できるように工夫をしています。
専門用語は極力使用していません。専門用語を使えることでの権威性が、逆に誤解を生む種にもなると言うことです。
顔も見えない(Youtubeに出てますが(笑))やつの書く記事に、検索エンジン側は、評価が低いとも聞きます。
内容の分かりやすさには自信がありますので、もっと上位検索にこのブログを挙げて欲しいものです。
全国民のためになると思うので、皆さんのお知り合いへのご紹介、マジよろしくお願いいたします<m(__)m>
さて、本題に戻して、検索結果のノウハウは、すべて間違いではありません。
しかし、その人の状況と程度がどのレベルなのか分からないのです。
拾って来たノウハウが、本人にマッチングするかの見極めが極めて重要です。
ご家族としては、まず、ひとつをポンと本人の目の前に置いてみる感覚です。
ノウハウを紙に書いて置くと言うことではなくて、提示するということです。
その時の言い方はこれです!
「ねぇ、たまたまさ、見つけたの。日光に当たるとセロトニンと言う元気物質が出るんだって!」くらいの「情報伝達的言い方」です。
やる、やらないは本人に任せて、やれと指示しないと言うことが大切です。
五月病の人に言ってしまいがちな言葉の言い換え!
①しっかりしなさい! ➡
きついんだね。食欲ないよね。
でもお母さん、小さい頃からのあなたを見て来たからか「あなたは大丈夫!」って根拠なく思えるの。
②勉強が遅れるよ! あなたは大黒柱なのよ! ➡
勉強のことも心配よね。でも、今の感じじゃ、授業もきついだろうから、まずは、ゆっくりエネルギー充電よね。
私も、パートをちょっと頑張るから、パパの元気が充電されるまで、一緒にゆっくり待ちましょう!
③あなたが選んだ大学、あなたが選んだ会社でしょ? ➡
ものごとには相性が必ずあるからさ。じっくり腰を落ち着けて今の環境を見てみるといいかもよ。
④ネットにこれをしたらいいと書いてあったよ、やりな! ➡
上述のとおり。
まとめ
五月病の人の家族が、ついうっかり使ってしまいがちな失言(いや、正確には寄り添い・発破言語)の背景と、その言い換えについて解説してみました。
五月病は、うつ傾向にもなるので、元気のもとであるセロトニンが低下していることもあります。
ダメな自分がより分かっているので、周りの言葉に、過敏になっている人が多いのです。
わざわざ、状態を悪くしてしまう言葉掛けがどんなものかに気づいて、改善するだけでいいのです。
今回は以上です。
からだプロ